はじめに

Claude Codeにスキルを入れると仕事が速くなると聞いてGitHubの一覧を開き、スターの多い順に並んだリポジトリを前に手が止まった経験はないでしょうか。どれも良さそうに見えて、自分の業務に入れるべき1本が分からないままタブを閉じる。よくある止まり方です。

本記事では、ビジネスで使えるClaude Skillsを12本、1本ずつ中身を読んだ上で推薦します。スマートエイトは企業向けの生成AI研修と開発受託を行っており、この12本はすべて自社の環境へ導入し、実際に動かした上で選びました。

選定の基準は1つだけです。スターの数ではなく「そのスキルにしかない観点が入っているか」で選びました。読み終えたときに、明日入れる1本と、その理由が手元に残る状態を目指します。

Claude Skillsとは何か|12本を「中身」で選んだ基準

スキルは結局のところ何をするものですか?

よく使う作業の指示書です。一度書いて渡しておくと、次からは一言で同じ作業が再現できます。

例えば受注データの転記を頼むとき、毎回こう説明していたとします。

  • 受注データを開いて
  • 注文番号を転記して
  • 発注データと突合して
  • 差異があれば確認して
  • 結果をまとめて

この5つをまとめて1つのスキルにしておくと、次からは「転記して」の一言で同じ手順が動きます。毎回ゼロから指示を書き直す必要がなくなります。

長文のプロンプトを1つのSkillにまとめ、いつでも呼び出せる部品にする流れの図

中身はマークダウン*のテキスト1枚であることが多く、プログラムではありません。長い指示文を1つの部品にまとめたもの、と考えると分かりやすいです。

効くのは手順が固定されることです。何も入れずに「このLPを診断して」と頼むと、Claudeはその場で思いついた観点を並べます。診断用のスキルを入れておくと、決まった観点を決まった順番で見ます。同じClaudeでも、返ってくる指摘が変わります。

もう1つの効きどころは共有です。作ったスキルをチームに配れば、書いた本人でなくても同じ品質の出力が出ます。個人の頭の中にあった手順が、誰でも呼び出せる部品として残ります。

*マークダウン:見出しや箇条書きを記号で書くテキスト形式。専用ソフトが要らず、メモ帳でも中身を読めます。

スキルはどこに置くのですか?

本記事で紹介する12本は、Claude Codeに入れて使います。置き場はパソコンの中の決まったフォルダ1か所だけです。

先に誤解を1つ解いておきます。分かれ目は「ターミナルか、アプリか」ではありません。Claude Codeはターミナルでもデスクトップアプリでも動き、どちらも同じフォルダを読みます。アプリのアイコンから開いていても、置き場は変わりません。

その置き場が ~/.claude/skills/<スキル名>/SKILL.md です。

ただしこのフォルダは、パソコンの画面上では隠れていて辿り着きにくい場所にあります。手で探す必要はありません。Claude Code自身に運ばせるのが早いです。

  • GitHubからスキルをダウンロードし、いったんデスクトップに置く
  • Claude Codeに「デスクトップにある〇〇というフォルダを ~/.claude/skills/ に入れて」と頼む

これで配置まで終わります。置いたスキルは、どのプロジェクトで作業していても使えます。詳しくはClaude Code公式ドキュメントにあります。

なおClaudeのチャット画面にもスキルの機能がありますが、入れ方は別です。ZIPにまとめてアップロードする形で、手順は公式ヘルプセンターにあります。フォルダに置いたスキルとは同期しないので、両方で使うなら両方に入れることになります。

Claudeデスクトップアプリの設定>カスタマイズ>スキル画面。導入済みのスキルが一覧で並んでいる

▲ デスクトップアプリ側の置き場所。設定>カスタマイズ>スキルに一覧で並ぶ。

12本の一覧|どの業務にどれを使うか

どのスキルが要るかは、自社のどの業務を任せるかで決まります。業務を3つ挙げると任せられるか分かる無料の診断で先に当たりを付けておくと、この一覧から選ぶ範囲が狭まります。

先に全体像を出します。7つの業務カテゴリに分けました。なお以降で挙げるスターの数は、すべて2026年8月2日時点の実測値です。日々変わるため、導入前にご自身で確認してください。

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スキル(供給元)

何に効くか

1

Claude SEO(技術監査)

サイトの技術的な穴を9カテゴリで洗い出す

2

Marketing Skills(LP診断)

LPを7段階の固定順で診断し、書き直し文まで出す

3

Marketing Skills(バナー設計)

静的広告の型15種からコピーと構図の指示を出す

4

Banana Claude(画像生成)

照明と構図まで指定した画像プロンプトを組み立てる

5

Marketing Skills(LPコピー執筆)

ページ全体の並びごとコピーを書き起こす

6

Marketing Skills(コピー校正)

7回の推敲で1回1観点ずつ文章を直す

7

Content Repurposing(転用)

1本の素材を媒体別に役割を変えて作り分ける

8

Marketing Skills(メール設計)

資料請求後のフォロー8通の骨格を出す

9

Google Workspace(gogcli)

メール・予定・スプレッドシートを読み書きする

10

Operations(業務マニュアル化)

頭の中の業務を担当表と例外表つきの手順書にする

11

Grill Me(企画を詰める)

提案せず質問だけを1問ずつ返し、企画の穴を出す

12

Superpowers(開発チーム向け)

成果物ではなく開発の進め方そのものを型にする

12本のうち5本がcoreyhaines31/marketingskillsから出ています。偏りを隠すつもりはありません。ここは1つ入れれば49本がまとめて付いてくるリポジトリで、実際に中身が細かいので、結果として5本残りました。

サイトを改善する|Claude SEO(技術監査)

Claude SEO|「SEOを見て」では出ない観点が焼き込まれている

供給元はAgriciDaniel/claude-seoです。2026年8月2日時点でスターは13,058、ライセンスはMITで、25のスキルと18のエージェント定義が入っています。

やってくれるのは、自分ではチェックしきれないサイトの技術的な穴の洗い出しです。9つのカテゴリを見ます。

推す理由は、観点が先に固定されている点にあります。何も入れずに「SEOを見て」と頼んだときには、まず出てこない項目が入っています。

  • クロール可能性と、記事ページのcanonical*の設定
  • セキュリティヘッダとリダイレクトの連鎖
  • Core Web Vitals*の実測値
  • 構造化データとモバイル対応、JavaScriptで描いたページの見え方
  • GPTBot・ClaudeBot・PerplexityBotといったAI向けクローラーの許可設定

最後の1点は、AI検索への露出に直結します。指摘はCritical・High・Medium・Lowの4段階で返るので、どこから直すかの判断が速くなります。

そのまま使えるプロンプトは次のとおりです。

/seo-technical

https://自社ブログのURL を監査してください。

このサイトはSEO記事を毎日追加しています。
公開以来、技術面はほとんど手を入れていません。

特に知りたいこと:
- AIクローラー(GPTBot / ClaudeBot / PerplexityBot)の許可設定が意図どおりか
- 構造化データが正しく出ているか
- Core Web Vitals の実測値
- 記事ページの canonical とインデックス状況

日本語サイトです。
Claude SEOの技術監査の出力。カテゴリごとに点数が付いたスコア表が並んでいる

▲ 上のプロンプトの出力。カテゴリ別に採点されるので、どこから直すかの順番が決まる。

使うときの一言として、統合版のseo-auditは避けてください。文章品質の判定が英語専用で、日本語の本文を0語と数えます。技術監査だけを呼ぶseo-technicalなら、言語に関係なく動きます。

*canonical:同じ内容のページが複数あるとき、どれを正規版とするか検索エンジンへ伝えるタグ。 *Core Web Vitals:表示速度や操作の安定性など、Googleがページ体験を測る指標のまとまり。

広告・画像をつくる|診断から画像まで3本が直列でつながる

Marketing Skills(LP診断)|アクセス解析に繋がっていなくても回る

供給元はcoreyhaines31/marketingskillsです。2026年8月2日時点でスターは42,681、ライセンスはMIT、49本のスキルのうちの1本にあたります。作者のCorey Haines氏は、海外の紹介記事や動画で繰り返し名前が挙がる書き手です。

やってくれるのは、LPの診断と改善案の提示です。

推す理由は2つあります。1つ目は、アクセス解析ツールに繋がっていなくても動く点です。診断系のスキルは計測データを前提にするものが多く、まだ受注していない見込み客のLPには手が出せません。

この1本は、公開されているページだけを見て診断します。

2つ目は、診断の順番が7段階で固定されていることです。しかもインパクトの大きい順に並んでいます。

  • 価値提案が5秒で伝わるか
  • 見出しが流入元と一致しているか
  • CTAの配置・文言・階層
  • 視覚的な優先順位
  • 信頼要素
  • 反論への対応
  • 摩擦(フォームの項目数など)

指摘だけで終わらず、書き直した文まで返します。さらに「断定できる改善」と「A/Bテストで試すべき仮説」を分けて出すため、すぐ直す分と検証に回す分を仕分けできます。

フォームの項目数についても数値を持っており、3項目を基準として4〜6項目で完了率が10〜25%下がり、7項目以上で25〜50%下がるとしています。ただしこの数値の一次調査はスキル内に書かれていないため、社内の説得材料に使う前に自社のフォームで確かめてください。

/cro

https://自社サービスページのURL を診断してください。

目的: 無料相談の問い合わせ獲得
読み手: 中小企業の経営者・DX推進担当。AI開発の発注は初めて
流入: 指名検索と営業からの直接送客が中心

日本のBtoBサイトです。
「顔写真つき実名証言」のような日本では許諾が取りにくい打ち手を出す場合は、
代替案とセットでお願いします。
LP診断スキルのQuick Wins表。今週すぐ直せる施策が、実際に確認した現状とセットで並んでいる

▲ 上のプロンプトの出力。今週手を付けられる施策から先に並ぶ。

使うときの一言です。同じリポジトリのproduct-marketingへ自社情報(誰に、何を、違いは何か)を先に書いておくと、49本すべてがそれを参照します。書かないままだと毎回ヒアリングから始まります。

出てきた改善案を実際のページへ反映する段では、指示を都度出すよりファイルに残すほうが品質が安定します。手順はAIで作ったLPがダサくなる原因|Claude Codeで改善する3つのファイルにまとめました。

Marketing Skills(バナー設計)|静的広告の型を15種類知っている

同じリポジトリの1本で、呼び方は/ad-creativeです。

画像は作りません。出てくるのはコピーと構図の指示です。

推す理由は、素人がゼロから考えずに済む点にあります。静的広告の型を15種類持っており、Us vs Them、Stat Callout、Review Card、FAQ Cardといった名前で、それぞれの型に沿った案を並べます。

出力は3つに分かれます。

  • 見出し・本文・CTAのテキスト
  • 「2カラム。左をグレースケール、右をフルカラーに」といった構図の指示
  • 社内やクライアントへ見せるための、単体で開けるHTMLのレビューページ

3つ目はフィード上での見え方を模したページが出るので、確認の往復が減ります。

/ad-creative

生成AI研修のバナーを作りたい。

商材: 中小企業向けの生成AI研修
ターゲット: 中小企業の経営者・DX推進担当(AI導入は初めて)
配信先: Meta(Facebook・Instagram)と Googleディスプレイ

日本語のバナーです。文字数は全角基準で見てください。
Google広告の見出しは全角15文字、Metaのprimary textは全角約62文字が可視範囲です。

Us vs Them / Problem-Solution / FAQ Card の3型で出してください。
バナー設計スキルの出力。画像内コピーの配置が、帯・主見出し・比較表の枠線図で指定されている

▲ 上のプロンプトの出力。文言だけでなく、画像内のどこに置くかまで指定される。

使うときの一言です。Google広告の見出し文字数が英語基準で入っています。スキルは30文字と言いますが、日本語は全角15文字です。

文字数の検算工程があるにもかかわらず参照している数字が英語のため、検算を通っても入稿で弾かれます。上のプロンプトのように、全角基準を明示してください。

Banana Claude(画像生成)|撮影の観点でプロンプトを組む

供給元はAgriciDaniel/banana-claudeです。2026年8月2日時点でスターは906、ライセンスはMITです。

やってくれるのは、画像生成のプロンプト設計です。

推す理由は、プロンプトを書く人が変わる点にあります。自分で英単語を並べるのではなく、Claudeがブランドを聞き取り、9つの領域モード(Cinema、Product、Portrait、Editorial、UI、Logo、Landscape、Infographic、Abstract)から適切なものを選び、照明と構図まで指定して組み立てます。

連携先のprompt-engineまたはprompt-libraryを別途入れている場合は、2,500以上のプロンプト集を検索する動きも加わります。入れていない場合、参照するのは領域モードごとのガイドです。

出力の差はモデルの性能差ではなく、観点の差から生まれます。撮影者が使う語彙で指示が組まれるため、同じ生成モデルでも返ってくる絵が変わります。

既存画像の編集や、指定した枚数のバリエーション生成もコマンド1つで回せます。

/banana batch "生成AI研修のFacebook広告バナー。中小企業の経営者向け。
研修風景ではなく、書類の山が消えて人が前を向いているイメージ。
ブランドカラーは紫 #6B4FD8。文字は入れない" 6
Banana Claudeの出力比較。同じ人物を、素のプロンプトと組み立てたプロンプトで生成して左右に並べている

▲ 左が素のプロンプト、右が組み立てたプロンプトの生成結果。

1枚を作り込むより、まとめて出して人が選ぶ使い方が向いています。

使うときの一言です。実行はGemini APIを前提としており、APIキーが必要です。

価値の本体はプロンプト設計の層にあるので、組み上がったプロンプトを別の画像生成モデルへ渡す使い方もできます。日本語の文字を入れる画像は文字が崩れにくいモデルへ、文字なしのビジュアルはこちらへ、と分けるのが現実的です。

初期設定に1点だけ注意があります。このスキルの初期設定を走らせると、Claude Codeの全体設定ファイルを書き換え、別の作者が公開しているMCPサーバー*を登録します。スマートエイトが2026年8月2日に実ファイルを開いて確認した挙動です。

この登録は画像生成には必須ではなく、スクリプト経由で使えば同じように動きます。スキルの初期設定が全体設定を触ろうとしたら、一度止めてください。

*MCPサーバー:Claudeが外部のツールやデータに接続するための仕組み。接続すると会話全体に対して広い権限を持ちます。

文章を書く・直す|書く1本と、直す1本

Marketing Skills(LPコピー執筆)|ページ全体の並びごと出てくる

同じリポジトリの1本で、呼び方は/copywritingです。

やってくれるのは、LP・料金ページ・機能ページのコピーの執筆です。

推す理由は、単文ではなくページ構成の枠組みが出てくる点にあります。順番が決まっています。信頼要素、課題・痛み、解決・便益、進め方、反論への対応、最後のCTAという並びです。

このうち日本の中小企業向けでいちばん効くのが「反論への対応」です。数十万円の決裁を社内で通す相手に向けて書く以上、FAQ・比較・保証がここに無いと稟議の段階で止まります。見出しの公式も持っており、「痛みなしで成果を出す」「読み手のためのカテゴリ」「もう嫌なことは起きない」といった型は日本語でもそのまま成立します。

/copywriting

AI開発受託のサービスページのコピーを書いてください。

読み手: 中小企業の経営者・DX推進担当。AI開発の発注は初めて
目的: 無料相談の申し込み

条件:
- トライアルも会員登録もありません。
  「Start Free Trial」のようなCTAは使えません。
  「無料相談を予約する」「サービス資料を受け取る」に置き換えてください
- 反論への対応のセクションを最重視してください
- 想定される反論: 「うちの業種でできるのか」「社内に人がいない」
  「導入して使われなかったらどうする」「費用対効果が読めない」
- 実績の数字を入れる場合は、出典が確認できるものだけにしてください

書き終えたら、そのまま /copy-editing で7回の推敲にかけてください。
LPコピー執筆スキルの出力。ファーストビューを推奨案Aと代替案B・Cの3案に分け、要素別の表で並べている

▲ 上のプロンプトの出力。1案だけでなく、方向性の違う代替案まで並ぶ。

使うときの一言です。CTAの例文にトライアル前提のもの(Start Free Trialなど)が混ざっています。

セルフサーブの課金導線がない商材では、その系統の例文をそのまま使えません。上のプロンプトのように、置き換え先を先に渡してください。

Marketing Skills(コピー校正)|英語専用の判定基準が1件も無い

同じリポジトリの1本で、呼び方は/copy-editingです。

やってくれるのは、既にあるコピーの推敲です。

推す理由は、文章を扱うスキルとしては珍しく、英語基準の判定が1つも入っていない点にあります。文字数・語数・可読性スコアといった英語専用の基準は、全文を検索しても1件も出てきませんでした。

Flesch可読性スコア、学年レベル、音節数、文字数の基準、すべてゼロです。他の文章系スキルは、この記事でも書いてきたとおり件名の長さや見出しの文字数を英語で持っています。

やることは7回の推敲です。1回で全部直そうとせず、1回につき1つの観点だけを見ます。明確さ、声とトーン、So What(で、何が嬉しいのか)、Prove It(その根拠は)、具体性、感情の強さ、リスクの除去、の順です。

このスキルの本体は3回目と4回目にあります。So Whatは「Claude Codeの使い方を教えます」で止まっている文を、読み手の成果まで引き戻します。

Prove Itのほうは「業界最高水準」「多くの企業で導入」といった語を全部つかまえて、誰が言っているのかを要求してきます。根拠のない最上級表現を検出する工程として、景品表示法の観点からもそのまま機能する部分です。

/copy-editing

このLPのファーストビューのコピーを7回の推敲にかけてください。

---
(ここに現行コピーを貼る)
---

読み手: 中小企業の経営者・DX推進担当。AI導入は初めて
目的: 無料相談の申し込み

条件:
- 日本語です。英語の文字数基準・可読性スコアは使わないでください
- 4回目(Prove It)は特に厳しく見てください
- 元の主張にない数字・実績を足さないでください
- 1回ごとに Before / After を並べて出してください
コピー校正スキルの出力。根拠が要る表現を検出し、Before・Afterの書き換え案を並べている

▲ 上のプロンプトの出力。指摘だけで終わらず、書き換え後の文まで返る。

使うときの一言です。「元の主張にない数字を足さない」は指示に明記してください。推敲の過程で説得力を足そうとして、根拠のない数字が入り込む余地があります。

発信を増やす|転用とメールで在庫を回す

Content Repurposing|「同じ要約の長さ違い」を禁止している

供給元はrampstackco/claude-skillsです。2026年8月2日時点でスターは509、ライセンスはMIT、103本のスキルのうちの1本です。

やってくれるのは、1本の素材を複数の媒体向けに作り分ける作業です。

推す理由は、失敗の型を先に禁止していることにあります。何も入れずに「これをXとメルマガとShortsにして」と頼むと、出てくるのは同じ要約の長さ違いが3本です。このスキルは、そうならないための規律を持っています。

  • 媒体ごとに役割を変える。Xは結論を尖らせ、メルマガは背景を書き、Shortsは最初の3秒を強くする
  • 転用に向かない元ネタを先に弾く。全部が転用できるわけではないと明記してある
  • 量産型の使い回しや、AIっぽい劣化コピーを失敗パターンとして名指しで禁止する

スターは509と今回の12本で最少です。人気ではなく中身で選びました。

/content-repurposing

この動画の文字起こしを渡します。次の6形式に作り分けてください。

- X投稿: 200文字程度・結論を先に
- Xスレッド: 7投稿・1投稿1論点
- LinkedIn: 経営者向け・実務的
- メルマガ: 導入→課題→事例→CTA
- Shorts台本: 45秒・冒頭3秒にフック
- ブログ概要: 見出し・要点・関連記事への導線

守ってほしい条件:
- 元の文章にない主張を足さない
- 数字を作らない
- 語尾のトーンを揃える

日本語なので、X投稿は全角140字以内に収めてください。
転用スキルの出力。1本の素材から組み立てたH2見出し7本が、各セクションの中身つきで並んでいる

▲ 上のプロンプトの出力。同じ要約の長さ違いではなく、形式ごとに役割が変わる。

使うときの一言です。このスキル自体には「元にない数字や主張を足すな」という歯止めがありません。

別のスキルに委譲する設計になっているためで、実際にファイルを開いて確認しました。上のプロンプトのように、指示側で足してください。

Marketing Skills(メール設計)|8通の順番がそのまま骨格になる

同じリポジトリの1本で、呼び方は/emailsです。

やってくれるのは、資料請求のあとに送るフォローメールの設計です。

推す理由は、8通の順番を持っている点にあります。資料の納品、深掘り、課題の定義、解決の枠組み、事例、違いは何か、反論への回答、提案、という並びです。ゼロから通数と役割を考える工程が消えるので、素案が一気に出て、あとは自社の言葉に直すだけで済みます。

前の6-1で作った媒体別の在庫が、そのまま各通の素材になります。日々のブログ記事を書きためている会社ほど、この2本は組み合わせて効きます。

/emails

資料請求のあとのフォローメールを設計してください。

商材: 中小企業向けの生成AI研修
読み手: 中小企業の経営者・DX推進担当

条件:
- 日本語です。件名の文字数は全角20〜30字が実務基準です。
  英語の40〜60文字をそのまま使わないでください
- 日本の特定電子メール法を守ってください。スキルにこの記述がないので必ず追加します:
  ・受信の同意を取っていること(取得の記録を残す)
  ・送信者の氏名・名称を本文に表示する
  ・受信拒否の通知先を表示する
- 土日は配信しません

8通で組んでください。
各通に、自社ブログから流用できる素材の当て先を書いてください。
メール設計スキルの出力。フォロー8通が、営業日ベースの配信日と各通の役割つきで並んだ配信カレンダー

▲ 上のプロンプトの出力。8通の順番と配信日が、そのまま骨格になる。

使うときの一言です。このスキルにはコンプライアンスの章が1つもありません。

全セクションを確認しましたが、米国のCAN-SPAMも欧州のGDPRもオプトインも出てきません。日本の特定電子メール法が求める3点は、上のプロンプトのように必ず自分で足してください。

社内業務を回す|作業を最後まで終わらせる2本

Google Workspace(gogcli)|読むだけでなく書き込める

供給元はopenclaw/gogcliです。2026年8月2日時点でスターは8,244、ライセンスはMITです。

やってくれるのは、Gmail・カレンダー・ドライブ・ドキュメント・スプレッドシートの操作です。

推す理由は、読み取りで止まらない点にあります。メールを検索して分類するところまでで終わるのではなく、予定の作成やスプレッドシートへの書き込みまで進みます。

人が結果を目で見て別のツールへ転記する工程が消えるので、作業がClaudeの中で完結する形です。

毎日触る道具なので、効果が積み上がります。週に1度しか使わないスキルより、1日に何度も通る経路を短くするほうが体感は大きくなります。

今日届いたメールを確認して、返信が必要なものだけ抽出してください。

条件:
- 件名ではなく本文を読んで判断する
- 返信状況は最後のメッセージが送信済みかどうかで判定
- 社内メンバーからのものは除外
- 優先度順の表で出す

そのあと、返信が必要なものについて来週の空き時間を探して、
打ち合わせの候補日を3つ出してください。
gogcliが作成した商談準備用スプレッドシート。社名・事業概要・部門別の仮説まで項目が並んでいる

▲ 読むだけでなく、スプレッドシートを作って書き込むところまで動く。

使うときの一言です。これはGo言語で作られたコマンドラインツールで、マークダウン1枚のスキルとは性質が違います。Googleアカウントの認証を通す都合上、どこまでの権限を渡すかを最初に確認してください。

Operations(業務マニュアル化)|聞き方そのものが設計されている

供給元はanthropics/knowledge-work-pluginsです。2026年8月2日時点でスターは23,237、ライセンスはApache-2.0、呼び方は/process-docです。Anthropic公式の業務プラグイン群で、営業・人事・法務・エンジニアリングなど領域別に分かれており、Operationsはそのうち社内の業務を回す担当として9本を持っています。

やってくれるのは、頭の中にある業務の手順書化です。

推す理由は、設計思想が非エンジニア向けに振り切られている点にあります。使い方の案内で「まず雑に話してください。完璧な説明は要りません」と宣言し、構造化は自分がやると引き受けます。

そのうえで「例外を必ず入れてください。普段はXだけど、たまにY、がいちばん価値のある部分です」と促します。マニュアル化が失敗する原因は例外の抜けなので、順序として正しい設計です。

出てくるのは手順書だけではありません。誰がやる・誰が責任を持つ・誰に聞く・誰に伝えるを整理した担当表と、例外とエッジケースの表まで出ます。

もう1つ、制度依存がゼロでした。手順書に国の違いはないため、他の11本のような英語圏前提の補正が1つも要りませんでした。

/process-doc

受注から請求までの業務を、手順書にしたい。

いまの流れをざっくり言います。
紹介で問い合わせが来て、商談して、提案書を出して、契約して、
納品して、請求する。

いちばん困っているのは、条件の判断が全部自分の頭の中にあることです。

条件:
- 日本の中小企業向けです
- 担当表と、例外・エッジケースの表を必ず出してください
- 分からないところは推測で埋めず、「要確認」と書いてください

まず雑に話したので、構造化はそちらでお願いします。

使うときの一言です。最後の「推測で埋めず、要確認と書いてください」は必ず入れてください。

この1行が無いと、それらしい手順を作文する余地が残ります。なお、Operationsはマーケットプレイスに置かれているだけで既定では有効になっておらず、claude plugin install operations@knowledge-work-pluginsでの導入が要ります。

考えを詰める・開発を型にする|同調と手抜きを止める2本

Grill Me|本体の指示文は4段落しかない

供給元はmattpocock/skillsで、41本のスキルのうちの1本、呼び方は/grill-meです。作者はMatt Pocock氏です。

やってくれるのは、自分の企画や計画を容赦なく詰めることです。

推す理由は、Claudeの既定動作を反転させる点にあります。企画を見せると、Claudeは褒めて、補強して、足りない所を勝手に埋めて返します。穴は残ったまま形だけ整うので、壁打ちの相手として機能しません。

このスキルがやっているのは3つの禁止です。

  • 提案するな、質問だけしろ
  • まとめて聞くな、1問ずつ聞け
  • 合意するまで実行するな

加えて「事実が環境から分かるなら聞かずに自分で調べよ。ただし決定は相手のものだ」と釘を刺します。各質問には推奨する答えが添えられるため、詰まっても前へ進めます。

そして本体の指示文は4つの段落しかありません。1-2で触れたとおり、199,362というスターはリポジトリ全体の数字で、このスキル単体は短いテキストだけで成立しています。数段落の指示で、AIの同調という一番厄介な癖が止まります。

/grill-me

AI研修の単価を上げるか下げるかを決めたい。

前提:
- 現在の単価と、直近の受注実績
- 競合と横並びで、価格だけでは差がついていない
- 受注の一定割合がパートナー経由

決めたいこと:
- 単価を上げるのか、本数を増やすのか
- 上げるなら、何を足して上げるのか

決めるのは私です。事実は聞かずに、手元のファイルから調べてください。
Grill Meスキルの回答画面。提案せず結論と理由だけを返し、判断の穴を突いている

▲ 上のプロンプトの出力。褒めずに、まず結論と理由が返る。

使うときの一言です。grill-meは単体では動きません。

インストールされるのは1行のスタブで、本体のgrillingは別のスキルとして配布されています。両方入れて初めて動きます。

Superpowers|成果物ではなく「作り方」を縛る

供給元はobra/superpowersです。2026年8月2日時点でスターは264,972、ライセンスはMIT、14本のスキルが入っています。1-2で書いたとおり、この数字も14本まとめてのものです。

やってくれるのは、開発の進め方そのものの型づけです。

推す理由は、前提にある観察が正確だからです。AIを使った開発の事故は、能力不足ではなく手順の飛ばしで起きます。

飛ばされるのは、テストを書かずに実装しない・原因を特定してから直す・検証してから完了を報告する、といった手順です。人間の新人とまったく同じ崩れ方をします。14本は、その飛ばしを1つずつ止めます。

止め方は具体的です。

  • test-driven-development|失敗するテストを先に書くまで実装させない
  • systematic-debugging|再現条件を絞るまで直させない
  • verification-before-completion|証拠を出すまで「できました」と言わせない
  • brainstorming|実装案に飛ぶ前に前提を疑わせる

モデルの賢さは料金で買えますが、規律は買えません。効果はデモでは見えず、数週間後に「できましたが嘘ではなかった率」として出ます。

/brainstorming

社内の問い合わせ対応を自動化したい。

いまの状況:
- 問い合わせはメールとフォームの2経路
- 月に約200件。うち7割が過去にも来た同じ質問
- 対応しているのは2人。1件あたり平均15分

やりたいこと:
- どこから手を付けるかを決めたい
- ただし「全部AIに任せる」は現実的でないと思っている

条件:
- いきなり実装案に飛ばないでください。前提を疑うところから始めてください
- 却下した案も、なぜ却下したかを残してください

使うときの一言です。14本すべてを入れるのは勧めません。

既に似たスキルを持っている場合、同名・同説明のスキルが重複すると誤発火の原因になります。入れる前に、自分がすでに持っているものと重ならないかを確認してください。

さいごに

本記事では、ビジネスで使えるClaude Skillsを12本、スターの数ではなく「そのスキルにしかない観点が入っているか」で選んで紹介しました。診断の順番が7段階で固定されているもの、英語専用の判定基準が1件も無いもの、数段落のテキストでAIの同調を止めるもの。推した理由はすべて中身にあります。

明日からの動き方は3つです。

  • 業務に一番近い1本だけを入れる。マーケティング寄りならMarketing Skills(1つ入れれば49本が付いてきます)、社内業務寄りならOperationsのprocess-docが入口になります
  • 入れる前に、そのスキルがコードを持っているか(.pyや.shがあるか)と、自動実行の設定が含まれていないかを開いて確認する
  • 出てきた成果物のうち、文字数・件名の長さ・可読性といった英語基準の数字だけを日本語向けに直す

12本を全部入れる必要はありません。1本を業務のなかで1週間回すほうが、10本を眠らせるより確実に前へ進みます。効果の測り方に迷う場合は、生成AIの費用対効果を測る4つの問い|OpenAI CFOの採点表の使い方を先に読むと、何を数えるかが決まります。

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